笹川平和財団は1986年の設立以来、国内外の組織と協力し、国際的な課題解決に向けた様々な事業や調査研究などの活動を推進してきました。

一方で最近、コロナ禍のような感染症の世界的大流行（パンデミック）への対応、地球温暖化を防ぐための脱炭素社会の実現、ロシアのウクライナ侵攻をきっかけとする安全保障体制の見直しなど、国際的な課題がたくさん出てきています。今までの社会経済システムに無理が生じているのではないか、考え直さなくてはいけないタイミングなのではないかという問題意識を強く持つようになりました。

このような問題意識に基づき「笹川奨学金（GLOBAL LEADERS SCHOLARSHIP）」が新設されました。国際的なシステムの見直しのための活動がすでに始められ、新たな仕組みが生まれていく中で、世界の舞台で活躍する新しいリーダーを日本の中から出したいというのが私たちの強い願いです。また、課題先進国と言われる日本の先進的な課題が解決できれば、今後の国際社会にも大きな影響を与えるでしょう。そのためには、日本の中にも新しいリーダーが必要です。

当財団は、若い皆さんを直接支援して国内外で活躍できる新しいリーダーを育成することが重要だと考えています。本奨学金を通じて、国際舞台で活躍したり、国内問題に斬新な視点から取り組んだりする若者を増やし、近い将来、日本人ならではの優れた提案が世界の皆さんに歓迎されるようになってほしいと思います。

しかし、どんなに優れた方であっても、一人ひとりが成し遂げうることは限られます。そのために本奨学金では留学生や卒業生のコミュニティづくりにも力を入れます。留学という共通の経験を有し、志をもった皆さんが助け合い、切磋琢磨できるネットワークをつくり、それを土台にして未来に羽ばたいてほしいと願っています。

皆さんがこのウェブサイトを開き、メッセージを読んでいただいたまさにこの時点が私たちと皆さんとの対話の始まり、新たな世界が開かれる時です。

「好奇心と柔軟性を備え、使命感を持っている若者」を本奨学金は求めています。我こそは、と思う皆さんからのご連絡をお待ちしています。