本奨学金の対象者は、「社会課題の解決に意欲があり、海外で学ぶことで成長したいと考えている方」です。年齢やご家庭の所得の制限、学問領域、卒業後の条件等は特に設けておりません。また、給付型の奨学金ですので、返済は不要です。

東京やそのほかの大都市のみならず、地方においても個別に高校を訪問したり、説明会を開催しています。

2022年度の事業開始以来、強い意志と個性的な考えを持ち、留学によって大きく羽ばたきたいと考える地方出身の高校生にたくさん会うことができました。また、それぞれの置かれた状況の中で将来の道を模索し、努力している都会の高校生もたくさんいました。さらに、障がいを抱えながら、その経験を社会への貢献につなげるべく留学を志す高校生に頭が下がる思いでした。
笹川平和財団は、皆さんの考えをよく理解し、従来の枠にとらわれない、自由な発想で色々な問題にチャレンジしようとする皆さんのお手伝いをしたいと考えています。

本奨学金では、皆さんの現在地を踏まえながらも、将来の可能性を重視した選考を行います。皆さんが留学によって優れた学問を修得することはもちろんのこと、留学によって得られる友人関係や様々な体験からも学びを汲み取り、大きく成長できる可能性を認められる方に奨学金をさしあげたいと考えています。
そのため、留学中は可能な限り寮生活を続けることを推奨しています。米国においても英国においても、同じ年ごろの学生たちが親元を離れ、寮生活を始める、そのこと自体をしっかり体験していただきたいと考えています。本奨学金が一学年から留学を開始する方々を対象とするのは一つにはこういった考えからです。

当財団は、本奨学金を得て大学を卒業した皆さんが、それぞれのキャリアを追求していくための土台となるコミュニティを形成し、皆さんの将来の活躍を後押しすることを究極の目的としています。どんなに優れた方でも、一人ひとりでできることは限られます。コミュニティを土台に切磋琢磨し、情報を共有したり、あるときは協力したりすることが社会を動かす大きな力につながります。
奨学生同士のコミュニケーションを助けるため、留学前の事前研修や留学中のネットワーク作りを行い、将来的にはしっかりとしたコミュニティに繋げていきたいと考えています。

海外の大学を目指すにあたっては、日本式の偏差値や模試等のスコア、大学のランキングを重視する考え方から頭を切り替える必要があります。自分の学びたい学部・学科やコースを確認するとともに、それぞれの大学の個性や価値観、雰囲気などを視野に入れたうえで、自分にあった大学を選ぶことが実りの多い留学につながります。さらに、皆さんの考えを応募書類の中で効果的に表現することにも力を入れましょう。大学への応募者が増加する中で、「この大学に行きたい」ことを上手に表現することが求められるのです。