-藤村さんが留学しようと思ったきっかけを教えてください。
直接的な契機は、高校でIB(国際バカロレア)のプログラムを受講したことです。中学から英語で授業を行うクラスを選択していたのですが、高校のIBコースでは周囲も留学に前向きな子ばかりで、私も自然とその影響を受けました。
-進学先であるハーバード大学を選ばれた理由は何でしたか?
イギリスの大学とどちらにするか迷っていたのですが、私が興味のあった生物学、特に昆虫の研究はアメリカの方が進んでいて。その中でも、ハーバードは生物多様性の分野で権威だったこと、また少人数のクラスでトップレベルの研究者から学べる点が決め手になりました。入学して実感したのですが、教授にメールで「この研究をしたい」とリクエストを送るとすぐにやらせてもらえるんです(笑)。将来、研究に興味のある人にはとても充実した環境だと思います。
-大学生活についても教えてください。
日本にいた頃と比べて無駄に過ごす時間が大幅に減りました。授業での友達も出来て、たくさんある課題も仲間と一緒に楽しみながら取り組めるので、大変ですがつらいと思ったことはありません。だらだらスマートフォンを見る時間が無くなったのでむしろ嬉しいです(笑)。
最近では、オープンキャンパスの時からずっと憧れていたマーチングバンドにも入って、クラスとは別のコミュニティも出来ました。みんなとフットボールの試合の応援に行くのが良い息抜きにもなっています。
-ハーバードで生物学を学んでいるということですが、現時点での将来の目標などはありますか?
小学生の頃から昆虫に興味を持っていたこともあり、環境の変化が及ぼす、生物、昆虫への影響をどう解決していくか、化学農薬に頼らない農法などはその代表例ですが、昆虫の保全につながるような研究がしたいと思っています。
先日、ハーバードに来られたカリフォルニア大の生物農薬の研究者の方から、虫の習性を利用した研究について伺いました。アメリカにも外来種の昆虫がたくさんいて、その内のほとんどが害虫とされていますが、ある害虫しか襲わない寄生蜂が発見されたので、寄生蜂を繁殖させ自然に放つことで外来種を駆除し、在来種の生態系を保全するといった内容です。ハーバードでの学びを通じて改めて感じたのは、環境に関する社会問題に取り組むためには、昆虫の研究が大切だということ。卒業後も大学院に進学し、環境分野の知識をさらに深めていきたいと思っています。
My motto
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飲水思源
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私がこの恵まれた環境で学ぶことができているのは、沢山の人のおかげだということを忘れず、自分も他の人の役に立つことで恩返しがしたいと思っています。