-古川さんが留学しようと思ったきっかけを教えてください。
映画やジャーナリズムなど、メディア学を幅広く学んでいきたかったので、そうなると実践的なプログラムの多いアメリカの大学が選択肢に上がってきました。もちろん日本の大学にも専門学部はありますが、アメリカはハイレベルに映像制作とジャーナリズムの双方を学べて、かつ制作系の部活やインターンの機会に恵まれていると聞いて。環境的にもすごく良いなと思って、アメリカの大学をターゲットに海外留学を目指すことにしました。
-海外大学進学を決意してから留学するまでにどんな準備がありましたか?
まず奨学金の獲得が留学の必須条件だったので、どんな奨学金制度があるかSNSやインターネットを使ってリサーチしました。都市部だと説明会とかも多いと思うんですけど、私は地方在住だったので留学の情報に触れる確率がすごく少なくて。だからもう自分から頑張って情報を取りに行く!って感じで必死に探しました(笑)。
それでも1番大きな壁となったのは、物理的な距離ですよね。SATを受けるにも地元の少ない枠はすぐに埋まってしまって、福岡から神戸まで行かなきゃならなかったり、金銭的な負担にもなるので大変でした。それに高校の友人たちはみんな国立大学合格を目指して勉強している中、私はひたすら英語でエッセイを書いて自分と向き合う…みたいな、ちょっと孤独に負けそうになる瞬間もありました。
笹川奨学金は、そんな情報格差の面で不利な環境を突破しようとする私のこともちゃんと見てくれて、それも自分の一面として評価してもらえたのでとても嬉しかったですね。
その他でいうとギャップタームに、日本の大学に通う留学生の人たちとディスカッションしたり、留学後のイメージトレーニングというか、英語の環境に身を置くようにはしていました。
-UCバークレーでの大学生活についても教えてください。
大学はカリフォルニア州にあってサンフランシスコにも近いので、想像していた以上にメディア関係のコミュニティと接する機会が多く充実した日々を過ごせています。映像制作の部活にも入っていて、この間は「特殊メイク講座」が開催されたのですが、一人の先輩のあだ名が「blood master」で、血糊を作るのがすごく上手だったんです(笑)。でもそういった課外活動一つひとつにも全員がとにかく真剣に取り組んでいるので刺激になります。
州立大学という特性上、生徒は現地の子も多いので、みんな「あの大学には私の友達が通っている」等の会話によくなるんですけど、その大学が笹川奨学生同期の進学先だったりするので、「私もそこに友達がいるよ!」って返せるのはすごく嬉しいです。
-将来の展望についても聞かせてください。
UCバークレーを進学先に選んだ理由の1つは、ジャーナリズム大学院の授業を受講できることでした。今も変わらずに一番興味のある分野ですし、将来はジャーナリズムを通してマイノリティ問題や社会的に弱い立場にある人たちの声や現状を届けたいと思っています。日本はこの種の問題に対しアメリカや他の国よりも人々の関心が集まりづらい側面があるので、そういった意味でも貢献したいですね。
My motto
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正直に、前向きに
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「面白そう!」と、とりあえず一歩を踏み出してみること。
弱さを受け入れる強さを持つこと。
プライドを捨てて学び、愚直に前を向き続けながら、
一つひとつの出会いを大切にできる人生を送りたいと思っています。