-三辻さんが留学しようと思ったきっかけを教えてください。
もともと海外に対して漠然とした憧れは持っていましたが、高校の時の先輩が韓国の大学に進学することになり、それをきっかけに海外大学進学を1つの選択肢として考えるようになりました。それでも周囲はみんな日本の大学に進む人ばかりですし、かなり悩みましたね。最終的に決断した理由は2つあるのですが、1つ目は学業的なところで、教育学を専攻したかったので、日本の大学だとこれまで自分が受けてきた教育の視点から脱却できないんじゃないかと思ったことです。海外の大学であれば、さまざまな国の人の教育に関する価値観や考え方をベースにディスカッションができるので、そういった環境の中で日本の教育を俯瞰で捉えてみたかったのと、教育に関する知識やシェアも広がると考えました。2つ目は人間的なところで、英語も中学から始めただけの自分が、友人関係も一から構築しなくてはならない海外で勉強するという、あえて困難な道にいくことで成長できると思ったからです。
-イギリスの大学、そしてUCLを選ばれた理由があれば教えてください。
アメリカではなくイギリスの大学を選んだのは、カリキュラムの違いです。アメリカだと最初の2年間はリベラルアーツでさまざまな科目を履修しながら学びたい分野を見つけて、残りの2年間で専門課程へと進みますが、イギリスだと入学する時点で専攻を決め3年間学びます。教育学に進みたい意思は決まっていたのでそこは迷わなかったですね。UCLにしたのは、教育を軸に心理学や社会学といった色々なプログラムも選択できるので、教育という枠の中でどの方向に進むべきか検討したかった自分に適していると思いました。
-留学に関する情報はどうやって集めましたか?
僕の住んでいる地域は地方で、都市部に比べると留学に関する情報や説明会などの機会も少なかったため、主にネットを使って情報を集めました。SNSで海外留学生のアカウントを見つけてDMやコメントで質問をしたり、自分と同じ地方在住で留学を目指している子たちと情報交換をしたり、笹川奨学金もその流れで知って応募しました。笹川奨学金は、僕みたいな地方出身者の状況を踏まえて、ポテンシャルを見てくれた印象があったので嬉しかったですね。
-将来の展望についても聞かせてください。
笹川奨学金の合宿で同期と交流した際、都市部と地方では教育の機会やリソースに大きな差があることを痛感しました。地方だとIB指定校も少ないですし、そもそも海外大学に行くという思考になりづらい。僕はこうして留学をする機会に恵まれたわけですが、日本の教育格差はまず解決したい課題の1つです。さらに、世界には難民問題や戦争で教育すら受けられない人たちが今も多く存在します。将来は、そんな人たちの未来を変えるための教育政策系のプロジェクトに携わりたいです。
My motto
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恩送り
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今までたくさんの恩を受けてこの環境で学ぶことができています。
その恩を次の人たちへ繋いでいくために、今一生懸命に学び、教育を通して誰かのためになれるように頑張りたいです。