-大学を選ばれた理由や、専攻している分野について教えてください。
インペリアル・カレッジ・ロンドンは、知名度としてはそれほど高くないかもしれませんが、イギリスでは名門大学の1つで、理系分野に特化しているのが特徴です。私、大阪のとても小さな町で育ったので、たくさんの価値観や人に揉まれて生活してみたいという思いがずっとあって、大学は大都市であるロンドンを中心に探しました。そんな中、最初に合格をくれたのがインペリアルで、他にも出願はしていましたが、自分を欲しがってくれた大学に行こうと進学を決めました。
専攻は生物学で、生物の進化について学んでいます。魚類を始めとする脊椎動物の進化を専門とした研究者を目指していて、今はそのための基礎を幅広く勉強しているところです。インペリアルは自主的な学習を促すティーチングスタイルで課題も多く大変ですが、自分で面白いことを探して新しい発見に導かなきゃならない研究者という職を目指す私には、すごく適した環境だと思います。
-大学生活についても教えてください。
ヨーロッパやアメリカ、アジア各国など世界中から学生が集まっていて、多様性に富んでいます。これは大学内外に関わらないのですが、ロンドンってさまざまな国の人が暮らしているので、日本人だから、イギリス人だからといって決めつけたりすることがないんですよね。バックグラウンドは一旦忘れて「自分のやりたいことをやるべき」というのが主流の考え方。日本だったら「日本人だから、女性だからこうしなきゃ」という価値観に縛られがちなこともあると思うんですけど、そういう意味でも、既存の殻を破るには良い機会を得られる場所だと感じています。
学生生活は非常に楽しいです。私はロンドン出身の子とツインルームで、よく一緒にお菓子作りをしたり朝まで語り合ったりと家族のように過ごしています。みんな親元を離れて自立しているからか結束力がすごく強いですね。部活は射撃部に所属しているので、スポーツ射撃も極めたくて日々練習に励んでいます。
-将来はどんな研究者になりたいですか?
生物は環境などの変化により長い年月を経て新しい種へと進化しますが、私は人にも同じことが当てはまると思っているんです。生命の進化という、前の世代から次の世代へ脈々と受け継がれてきたバトンを、今、自分が受け取った。科学の進化の軌跡の中の、過去と未来をつなぐ走者として、これまでの研究者たちの功績から学びを得て新しい発見につなげていきたいです。そのためにも、学部の学位取得後は、修士と博士も修了しようと思っています。研究者になれたら、イギリスにこだわらず日本も含めて、企業ではなくアカデミアで活躍したくて。もしかしたらいわゆる裕福な生活とはいかないかもしれないけれど、胸を張って「この分野のプロフェッショナルです」と言える研究者になりたいです。
My motto
-
何事にもオープンな
姿勢で楽しむ -
偶然の積み重ねが生命にさまざまな進化をもたらしてきたように、
新しい可能性に対して常にオープンな姿勢でありたいと思っています。