-野田さんが留学しようと思ったきっかけを教えてください。
父の仕事の関係で幼少期から海外で暮らしてきた私は、海外大学に進学する先輩や友人が多かったことから自然と留学を考えるようになりました。高校進学のため帰国した時も、海外大学への進学がしやすい高校を選んだくらいです。ただし、私は好奇心旺盛で、専門分野を絞ることに苦労しました。そこで、自己分析を徹底的に行いました。なぜ私は歴史と経済の授業が好きなのだろうと考え、「社会がどのように成り立っているかを知ることができる」点に惹かれていることに気づきました。次に、社会を構成しているものはなんだろうと考え、政策学や社会学、政治学にたどり着き、海外の大学で公共政策学を学ぼうと決意しました。
-その後、プリンストン大学に進学されましたが、どのような科目を履修していますか?
プリンストン大学では、7つの専門分野から科目を履修し、一定の単位を取得する必要があります。自分が専攻する科目については大学3年以降に学ぶため、現在は7分野から興味・関心のある科目を履修しています。今学期は「比較政治学入門」「金融倫理」「コンピュータサイエンス」「未来のリーダーのための物理」を履修しています。中でも「未来のリーダーのための物理」が好きで、なぜ、政策づくりに科学的な知識が重要かについて考えたり、関連するニュースを取り上げて分析したりと、物理的なアプローチから政策について学んでいます。実験を用いた授業も多く、先日は台車に学生を乗せて、「エネルギー運動量」についてデモンストレーションしてくれました。複数の分野にまたがる学問をインタラクティブに学べるので、とても楽しいです。
-大学生活で苦労したことや大変だと感じていることはありますか。
そもそも、プリンストン大学は勉強がハードなことで有名です。授業が進むスピードも早く、レクチャーを一度聞いただけではメモを取り切れないし、復習をしないと置いていかれてしまいます。そのため、最近受けた中間テストでは、授業が始まって6週間しか経っていなかったにも関わらず膨大な範囲が課されました。テスト期間中は図書館にこもってひたすら勉強を続けましたが、大変だと思ったことはほとんどありません。大学の友人はみんな優秀で、母校をトップレベルで卒業した人たちばかり。努力家だし、毎晩、日が変わる頃まで図書館にこもって勉強をしています。常に研鑽している友人に囲まれていることもあって、「みんなが頑張っているから、私も頑張ろう」とモチベーションが高まります。
-卒業後の進路は何かイメージしていますか?
大学で公共政策学を学び、卒業後は国際機関などで政策分析や政策提言に携わりたいと考えています。そのため、「公共政策学を専攻する」という軸は今後も変わらないと思います。ただ、実際にプリンストン大学で学ぶようになって、「必ずしも一つの分野に絞らなくてもいい」ということに気づきました。友人も幅広い分野に興味・関心を持っている人が多く、例えば政治学を専攻している友人は、「クリエイティブライティング」を学びたいと言っています。私も大学で「コンピュータサイエンス」を履修し、さらに深く学びたいと思うようになりました。特にデータ分析は公共政策について考える上でとても重要なので、副専攻で履修できたらと思っています。